法制化について

近年、TPMSの世界的な法制化が進んでいます。グローバルでTPMS装着の義務化を推進する契機となったのは、1999年6月に米国で発生したタイヤトレッド面の剥離による車体横転・運転者死亡事故です。翌2000年8月、同タイヤ(フォード製SUVに装着)の製造元であるファイアストン社は、約1,440万本のタイヤのリコールを発表します。第三者機関ならびに製造・販売元の自主調査の結果、事故の要因は、タイヤが低内圧状態であったことである可能性が高いと判明しました。

この事故を受け、2000年10月、運転者の安全を向上させることを目的としたTREAD法 (Transportation Recall Enhancement, Accountability and Documentation Act)が米国連邦議会によって可決、より詳細な連邦自動車安全基準(Federal Motor-Vehicle Safety Standard)が定められ、米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA)の管轄下で施行されることとなりました。

継続的な議論ののち、2005年に公示された最終ルールの中で、TPMSの仕様と導入スケジュールが示されました。2005年10月~2006年8月:新車の20%に導入、2006年9月~2007年8月:新車の70%に導入(以降は対象となる全車両に導入)と段階的に進み、今日では車両総重量4.5t以下の車両すべてにTPMSが導入されています。

グローバルでの法制化の流れは、車両の安全性という観点に加え、環境への配慮(車両のタイヤが低内圧状態の場合、燃費が悪化し、CO2の排出増加につながります)の観点から、さらに活発になりました。

ヨーロッパでは、2008年に欧州議会で可決された法案(”Type approval requirements for the general safety of motor vehicle”, IP/A/IMCO/IC/2008-112)により、M1およびN1カテゴリ(車両総重量3.5t以下)の新型車(new car types)は2012年より、新造車(existing types)は2014年より、TPMSの装着が義務化されることになりました。

米国、欧州での法制化の影響は大きく、国連でTPMSに関する多国間協定が設けられることとなり、グローバルでの法制化をいっそう後押ししています(UNECE-Regulation No. 64 / 「応急用予備走行装置及びタイヤ空気圧監視装置に係る協定規則」(第64号))。

世界各地の法制化状況

国・地域 開始時期 対象車両
アメリカ 2005年 車両総重量4.5t以下(ダブルタイヤ装着車両は除く)
ヨーロッパ 2012年 M1, N1(車両総重量3.5t以下)
韓国
台湾
2013年 同上
イスラエル
インドネシア
トルコ
フィリピン
マレーシア
2014年 同上
ロシア 2016年 同上
中国 検討中
日本 検討中
インド 検討中